
せっかく用意した爪とぎには見向きもせず、なぜかソファの角ばかり——そんな毎日に、「スプレーを使えば解決するのかな」と検索された方も多いのではないでしょうか。
じつは爪とぎに関わるスプレーには、大きく分けて2つの種類があります。
使い方を間違えると、期待した効果が出にくいことも。
このコラムでは、誘引スプレーと忌避スプレーの違い、それぞれの上手な使い方、そしてスプレーだけに頼らないための爪とぎ選びのコツを、爪とぎ専門店の目線でお伝えします。
肩の力を抜いて、うちの子に合う一手を一緒に探していきましょう。
「スプレー」とひとことで言っても、目的が正反対のものが混ざっています。
ここで混乱してしまう方、本当に多いんです。
ざっくり分けると、こうなります。
つまり、「使ってほしい場所」に使うのが誘引、「使ってほしくない場所」に使うのが忌避。
ここを取り違えると、まったく逆の結果になってしまいます。
自分の悩みがどちらなのか、まずはそこをはっきりさせるところからはじめましょう。

新しい爪とぎを部屋に置いて、わくわくしながら見守っていたのに、うちの子はにおいを嗅いですぐ立ち去ってしまう——。
この寂しさ、痛いほどわかります。
そんなときに頼りになるのが誘引スプレーです。
爪とぎ本体に少量吹きかけると、香りにつられて近づき、前足でかいてくれる子が増えます。
ただし、正直なところ、猫の好みは十猫十色。
またたびに強く反応する子もいれば、まったく興味を示さない子もいます。
「必ず使ってくれる魔法」ではない、という前提だけは持っておいてください。
コツは、いきなり全体にかけないこと。
まずは爪とぎの一部に軽く吹きかけて、様子を見る。
反応があれば少しずつ、が失敗しにくい進め方です。
はじめから香りの助けが付いていると、スタートがぐっとラクになります。
たとえばこんな一台。
アーチ型で自然な姿勢のまま研げる段ボールタイプ。
ご購入特典に猫用の快楽粉(またたび系のパウダー)が付いているので、届いたその日から誘い方を試せます。
上部のじゃらしボールで遊びに誘えるのも、興味を引く助けになりますよ。
「香りより遊びで釣りたい」という子には、動きのあるタイプも相性がいいです。
麻縄を巻いたボールを転がして遊びながら、そのまま爪とぎにつなげられる多機能タイプ。
研ぐこと自体をまだ楽しいと思えていない子に、遊びの延長で自然に触れてもらう作戦です。

香りの力は便利ですが、使いすぎには少し気をつけたいところ。
またたびは、子猫やシニア猫、持病のある子には刺激が強い場合があります。
与える量は控えめに、頻度もほどほどに。
反応を見ながら、が基本です。
爪とぎを嗅いだあとにぐったりする、嘔吐する、いつもと様子が違う——そんな変化が気になる場合は、自己判断で続けず、動物病院(獣医師)にご相談ください。
ソファの角がほつれてきた、壁紙がめくれてきた……見つけるたびにため息が出ますよね。
忌避スプレーは、その被害を減らしたいときの選択肢のひとつ。
ただ、ここで専門店として本音をお伝えすると、忌避スプレーだけで家具を守り切るのは、なかなか難しいのが実際のところです。
香りは時間とともに薄れますし、猫は「研ぎたい」という本能そのものを我慢しているわけではないからです。
そこで効くのが、「研いでほしくない場所」を嫌がらせるのと同時に、「代わりにここで研いでいいよ」という場所をすぐ隣に用意する合わせ技。
ここが一番のポイントです。
たとえばソファやカーテンの角が狙われがちなら、その角そのものをガードできるタイプが便利。
コーナーにぴったり沿わせて設置できる、天然麻縄の壁掛けマット。
研ぎたくなる「その場所」に置けるので、忌避スプレーで家具を遠ざけつつ、こちらへ誘導しやすくなります。
上下のクッションでくつろぎスペースにもなる作りです。

壁での爪とぎに困っているなら、壁面を守るタイプを狙われやすい高さに貼るのも手。
直角設計で、壁と床の両方で研げる壁掛けボード。
天然段ボール素材で、こちらにも猫薄荷(またたび)が付いているので、「新しい場所に来て」の後押しになります。
省スペースで設置できるのも助かるところ。
縦にしっかり伸びて研ぎたい子や、ソファ周りをまとめて守りたい場合は、支柱タイプもおすすめです。
天然サイザル麻縄の縦型タワー。
立ち上がって全身で研げるので、ソファの背もたれで満たしていた欲求の受け皿になりやすいタイプです。
紙くずが出にくく、お部屋を清潔に保ちやすいのもうれしいところ。
ここまで読んで、「結局スプレーより爪とぎ本体が大事なのでは?」と感じた方——その感覚、正解に近いです。
スプレーはあくまで背中を押す道具。
土台となる爪とぎがうちの子に合っていないと、香りの効果も長続きしません。
専門店として、ここだけは押さえてほしい3つの視点をお伝えします。
とくに置き場所は、スプレーの効き目を左右する隠れた鍵。
せっかく誘引スプレーをかけても、猫が行きたがらない場所に置いていては、もったいないんです。
くつろぎと爪とぎを兼ねられるタイプなら、自然と生活動線に置きやすくなります。
66センチの大きめサイズで、天然剣麻のベッド型爪とぎ。
研いだあとそのまま昼寝までできるので、「猫がよくいる場所」にそのまま馴染みます。
体格のいい子でも安心して乗れる頑丈な作りです。

好みがまだ読めない子には、香りの助けを借りやすい段ボールタイプから試すのも、失敗しにくい入り口。
素材・置き場所・形を少しずつ調整しながら、うちの子の「これ!」を一緒に見つけていきましょう。
最後に、今日のポイントを整理します。
スプレーは、あくまで最初のきっかけづくり。
そこから先を支えるのは、素材も形も納得のいく一台です。
焦らなくて大丈夫。
今日のヒントを手がかりに、あなたと愛猫にちょうどいい爪とぎを、じっくり選んでみてくださいね。