
せっかく用意した爪とぎに、愛猫はまるで興味なし。
それどころか、すぐ隣のソファでバリバリ——そんな光景に、ため息をついた経験はありませんか?
「うちの子、覚えてくれないのかな」と落ち込む必要はありません。
実は爪とぎは、ちょっとした置き方や素材の工夫で、すっと使ってくれるようになることが多いんです。
この記事では、猫が爪とぎを使わない理由から、無理なく誘導していくコツ、そして「覚えてもらいやすい」爪とぎの選び方まで、専門店の目線でご案内します。
焦らず、うちの子のペースで進めていきましょう。
まず、ここでつまずく方は本当に多いです。
「しつけ」と聞くと、犬のように教え込むイメージを持ってしまいますよね。
でも、猫の爪とぎはちょっと違います。
爪とぎは、猫にとって生まれつき備わった習性。
古い爪の外側をはがしたり、自分のにおいをつけるマーキング(縄張りの主張として、においや爪あとを残す行動)だったり、気分の切り替えだったりと、理由はいくつもあります。
つまり、猫は「研ぐこと」自体は最初から知っているんです。
私たちがすべきなのは、ゼロから教え込むことではありません。
「この場所・このアイテムで研ぐと気持ちいい」と気づいてもらうこと。
ここが出発点です。
だからこそ、覚えさせる=誘導する、と考えると気持ちがぐっとラクになります。
「買ったのに見向きもしない」——この悩み、専門店としてお伝えすると、原因のほとんどは猫のわがままではありません。
ちょっとしたミスマッチが隠れているだけ。
うちの子に当てはまるものがないか、一緒に見ていきましょう。
猫は「研ぎたくなった、その場で研ぐ」生きもの。
わざわざ別室の爪とぎまで歩いていく子は、正直あまりいません。
部屋の隅っこにぽつんと置いた爪とぎがスルーされ、リビングのソファばかり狙われる——これ、置き場所のせいであることが多いんです。
猫にも好みがあります。
段ボールのザラッとした感触が好きな子もいれば、麻縄のしっかりした手ごたえが好きな子も。
立てて研ぎたい子、寝そべって水平に研ぎたい子。
一台が合わなかっただけで「爪とぎ全部が嫌い」なわけではない、というのは覚えておいてほしいポイントです。
猫は変化に敏感な子が多いもの。
置いたばかりの見慣れないものを、数日そっと観察してから近づく——そんな慎重派もいます。
「初日に使わなかった=失敗」ではありません。
少し待ってあげてください。
ここからが本題です。
「じゃあ、どうすればいいの?」に、順番にお答えしていきます。
難しいことはしません。
うちの子が自分から「研ぎたい」と思える環境をつくる、それだけです。
いちばん効くのが、これ。
ソファの角で研ぐなら、その角のすぐそばに爪とぎを。
猫の「ここで研ぎたい」という気持ちを、否定せずにそのまま受け止めてあげるイメージです。
家具を守りたい方には、壁や角にぴったり寄せられるタイプが便利。
被害の出ている場所そのものをカバーしにいけます。
はじめの一台として、"今まさに狙われている角"に置くならこんな形が合わせやすいです。
ソファやカーテンの角にフィットする壁掛け・コーナー型。
天然麻縄で、上下のクッションがくつろぎスペースも兼ねます。
被害場所へ直接アプローチしたい方向き。

はじめて爪とぎを覚えてもらうなら、ハードルは低いほど成功しやすいもの。
立てかけタイプより、床に平らに置くフラットな段ボールのほうが、猫にとってはとっつきやすい傾向があります。
歩いていて足がふれた拍子に、なんとなくカリカリ——そんな自然な出会いが生まれやすいんです。
気軽に試せる一台として、こんな平置きタイプはいかがでしょう。
直径42cmの安定した台座付きで、広めのフラット面。
のびのび寝そべりながら研げるので、「最初の一台」に向いています。
一台だけで正解を当てにいくより、選択肢を増やしてあげるほうが近道なこともあります。
リビングに1つ、寝室の入口に1つ、といった具合に。
「どこが好み?」を猫に選んでもらう感覚ですね。
複数置きたいときや、置き場所を試しながら決めたいときは、こんなセットが使いやすいです。
大・中・小のアーチ3点セット。
分けて別々の部屋に置いたり、組み合わせて遊び場にしたりと自由自在。
北欧風デザインでインテリアにもなじみます。

研ぐことに興味を示さない子には、おもちゃ経由という手も。
ボールを転がして遊んでいるうちに、そばの麻縄につい爪が伸びる——遊びと爪とぎが地続きになっていると、自然に手が出やすくなります。
「爪とぎ=楽しい場所」という記憶づくりに一役買ってくれます。
遊び好きなうちの子には、こんなタイプから入るのもおすすめです。
麻縄ボールの爪とぎに、木製玉の転がし遊びが一体化。
遊んでいる流れでボールにカリカリ、という誘導がしやすい一台です。

最後は、猫の気持ちを後押しするひと工夫。
またたび(猫が好むにおいの植物。
興味を引く手助けになります)を爪とぎに少量ふりかけると、興味を持ってくれる子は少なくありません。
そして、爪とぎで研いでくれた瞬間に、やさしく声をかけたり撫でたり。
叱るより、できたときに褒める。
このほうが、猫はずっと前向きに覚えてくれます。
なお、またたびの反応には個体差があり、子猫やシニアには効きにくいことも。
使いすぎには注意して、少量から様子を見てください。
体調や様子に気になる点があれば、動物病院(獣医師)にご相談ください。
コツを実践しても手ごたえが薄いとき。
次に見直したいのが、爪とぎそのものの相性です。
正直、猫の好みは十猫十色。
それでも、合わせやすい選び方のコツはあります。
「段ボールでダメだった子が麻縄で急にハマった」というケースも、めずらしくありません。
一種類で見切らないのがコツです。
立って伸び上がって研ぐのが好きな子、寝そべって水平に研ぐのが好きな子。
うちの子が家具を狙うとき、縦向きか横向きかを思い出してみてください。
その姿勢に近い形を選ぶと、ぐっと使ってくれやすくなります。
くつろぎながら研ぐのが好きな甘えん坊タイプには、ベッドと一体になった形も合います。
ゆらゆら揺れる椅子型で、寝転びながら剣麻を研げる多機能タイプ。
「休む場所=研ぐ場所」にしたい子になじみやすい設計です。
包み込まれる安心感が好きな子なら、こんなベッド型も。
直径52cmの凹型で、すっぽり包まれて休みながら研げる天然麻タイプ。
落ち着ける居場所と爪とぎを兼ねたい方に。

なお、価格や在庫は変わることがあります。
詳しくは各商品ページでご確認ください。
いろいろ試したのに、うちの子だけ動かない。
そんなときこそ、焦らないでほしいんです。
猫が新しい習慣を受け入れるまでの時間には、大きな個体差があります。
数日の子もいれば、数週間かけてじわじわ、という子も。
「まだ使わない」は「これから使う」の途中かもしれません。
一方で、急に爪とぎの回数が増えた・特定の場所を過剰に気にする・爪に異常が見られるなど、ふだんと違う様子が続く場合は、行動や健康のサインが隠れていることもあります。
気になる場合は、動物病院(獣医師)にご相談ください。
猫に爪とぎを「覚えさせる」といっても、教え込むことではありません。
大切なのは、うちの子が自分から研ぎたくなる場所と一台を、そっと用意してあげること。
今日から一つずつでも大丈夫です。
うちの子のペースに寄り添いながら、ぴったりの一台を見つけていきましょう。